時代は変わる

チロリンチリンと虫が鳴いているのが聞こえる。季節や住環境のせいもあるが、悩みや心配事をひとまず脇に置いてフゥーっと息を吐いた時に耳に入ってくる。音色は次第に大きく鮮明に響いてくる。バッグに物を詰めるにはバッグは空っぽでなければならない。どれだけの小さくて弱くて繊細な生き物のヴァイブレーションに気付かず取り逃がしてきたかを思う。
最近はニュースを見ていない。興味がなくなってしまったのかな。見てないながらにも政治に関しては良くも悪くも変化なしという印象だ。経済は上向きだ。労働環境が当面は改善されていくと期待を持つ。
しかしそこではたと気付く。
となると興味を持つ必要あるのだろうかと。
そこそこ幸せ、まあまあ楽しいという人の欠点を指摘し冷や水を浴びせるのは悪趣味である。ただ、勝ち組負け組、自己責任論、即戦力の人材登用、派遣切りといった言葉が紙面や画面に踊ったそんな時代が少し前にあったのだということが忘れ去られてよいものかどうか、またそれ以上に政治経済の動向によってこれほど人や世の中の”気分”が変わるのだということを(つまりそこになんらかの自負があるわけではない)覚えておこうと襟を正す次第である。バッグには穴が空いているようだ。